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圓福 第128号

圓福 第128号

謹啓 今年二月、東北地方では、気温は二十度を超えて観測史上最高温度でした。大雪も困りますが雪も大切な水資源であり、また、観光資源でもあります。日本は美しい四季があり、私たちの生活を支えてくれています。自然に生かされていることに気づき、感謝の心を忘れずに、少しでも環境にやさしい毎日を送りましょう。
さて、今回も、法然上人のお言葉から私達の日常生活が明るく正しく楽しく暮らせるように、心の持ち方、あり方を学びたいと思います。
 
罪は十悪五逆の者も生まると信じて、少罪をも犯さじと思うべし。
「人として、最も重く、悪い罪を犯してしまった者も、極楽世界に生まれると、浄土教典に説かれています。そのことを深く信じて、小さな取るに足らないと思うような罪も犯してはなりません。」
 
無量寿経では、人の道に外れる許せない犯罪を犯した者は、救われないと示してあります。ところが観無量寿経では救われるとあります。浄土のお経は、お釈迦様の教えと阿弥陀さまの教えが説かれています。それは、例えば子供が罪を犯した時に、父親は厳しく叱責し、場合によっては家から追い出すことでしょう。けれども母親は、それでも哀れんで、こっそり裏口から招き入れ、子供に立ち直って欲しいと援助を惜しまないでしょう。罪を犯した子供は、母親の優しさに自ら犯した罪を反省し、父親の気持ちを考えて立派な人になって、許してもらうように努力をします。厳しいばかりも反発や怒りを生み出しますが、優しさばかりも甘えや堕落を招いてしまいます。どちらか一方が欠けても良くない偏らないことが、仏教の中道精神です。法然上人は、自らを罪悪生死の凡夫であると、常に自分に厳しく、他には優しく、謙虚にお念仏をされました。それは、私達は誰でもその境遇にあれば、罪を犯してしまうことを理解されていたからです。例えば、殺人は死を持って償わないといけない最も重い罪です。けれども戦争はどうでしょうか。その国に生まれ、徴兵されて戦地に派遣されれば、殺人兵器を手にすることになります。これぐらいのことはたいしたことでは無いと自分を甘やかすのでは無く、少しでも正しい道に進むように心がけることはとても大切です。法然上人のように自らを律して、謙虚に、感謝の心を忘れず、先立った家族の思いにかなう後悔の無い毎日を送って参りましょう。
下記の通り春のお彼岸法要を迎えます。ご恩を頂いた大切な家族にお陰様と、心から感謝の祈りを捧げましょう。是非、ご家族、ご友人お誘い合わせて、ごゆっくりとお参り下さいますようご案内申し上げます。

合掌

三月十九日(火)


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

説教(住職、徒弟覚明)

午後一時半

彼岸施餓鬼法要