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圓福 第115号

圓福 第115号

謹啓 毎年、日本の各地で豪雨の被害が起こり、今年も熱海で大変な豪雨災害で、多くの方々が被災されました。梅雨の季節でもあり、心が安まらない毎日です。被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに一日も早い復旧と、皆様が日常の生活に戻れるよう、お祈り致します。 今回も法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びましょう。
 

現世を過ぐべきようは、念仏の申されん方によりてすぐべし。
念仏の妨げに成りぬべからん事をば、いとい捨つべし。

 

今の世の中で生きて行くには、お念仏が称えられるように過ごすべきです。
お念仏の妨げになるような事は、避けて遠ざけなさい。

 
 現在の私たちは、お金が無くては暮らすことが出来ません。生活に最低必要な衣食住は、全て、費用がかかります。さらに、生活を守る為に、国に税金を納めなくてはなりません。ほとんどの人は生活費を稼ぐ為に、働くことが必要になります。そして、よりよい生活を求めて、より多くのお金を求めてしまいます。企業はあの手この手で、次々と新しい製品を世に出し、宣伝をかけて、購買意欲をかき立てます。ほんの少し前まで、リモコンが便利だと思っていたのに、音声認識が進んで、声がリモコンの代わりになってきました。今や、携帯電話でほとんどのことが出来るようになってしまいました。今の若者は、音楽も映画も本もゲームも会話も出会いも全て携帯です。確かに便利な世の中になって来たと思います。けれどもその反動でしょう。ソロキャンプ、つまり一人で山に行ってテントを張って食事を作ってくつろぐ方が増え、オフィスビルの中まで、まるでキャンプ場にいるような状態で仕事をする企業が増えています。
 結局、人は安らぎや癒やしが無ければ、苦しみが増え、不満がつのり、精神さえおかしくなってしまいます。法然上人は、お念仏をお勧め下さいました。お念仏は、南無阿弥陀仏と称えることですが、それは、自身がお金持ちになったり、病気がよくなったり、幸運が舞い込むように頼むことではありません。地球が二十四時間回り続け、引力で生命を守り、太陽が照らし、植物や、微生物、動物など、あらゆる生命体がお互いを支え合って助け合って全てがめぐりめぐっています。まさに生かされていることに気づくことが念仏の生活です。先進国による急激な経済振興は、世界中の自然を破壊し、地球環境まで変えてしまいました。現在は豊かな暮らしを実現する為に利益ばかりを追求し、結果的には、人間だけで無く、植物や動物など大切な多くの命を犠牲にして、取り返しのつかないところまで来ています。個人の欲望や国家の利益を優先することは、避けるべきです。一人一人の気づきが大事です。未来の世界が平和で、思いやりの溢れた人々が集う、美しい自然が息づく地球を目指して参りましょう。
 左記の通り、尊い命に感謝の祈りを捧げるための盆施餓鬼の法要を勤めます。昨年中止の円福市も行います。今回は、二日間土日に行います。是非ご家族お揃いで、また、ご近所、お友達もお誘いあわせてお参り下さい。

合掌

七月二四日(土) 


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

住職、阿弥陀院住職説教

午後一時半

盆施餓鬼法要