HOME | 季刊「圓福」 | 第110号

圓福 第110号

圓福 第110号

謹啓 日本は、国民の意識が高いせいで、世界的には大きな集団感染は非常に少ない方です。山中教授のレポートによると、感染しても症状の出ない若い方が、無症状だからと広げる可能性が高く、一人一人の自覚が必要だと強調しておられました。その指摘通り、東京ではロック解除後の夜の町での小さな集団感染が後を絶ちません。教授は、「人が一致団結し、賢く行動すれば、ウイルスは勢いを失います。」と強く明言されているとおり、ウイルスは人の力を借りてのみ猛威を振るいます。互いを思いやり、個人個人が責任のある行動を取れば、恐れるに足りません。梅雨の季節ですが、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうかお伺い申し上げます。
 今回も法然上人のお言葉から、私達の日常生活のあり方を学びましょう。
 
「本師釈尊すでに頭北面西にして滅を唱え給う、これまた衆生のためなり。 我いかでか、釈尊に勝るべきと。」
 
「お釈迦さまは、既に頭を北に向け、お顔を西に向けて、入滅されましたが、これは、私たちに見本を示す為です。どうして、私のような者がお釈迦さまより勝れた見本を示すことができましょうか。」 
 これは、法然上人がお亡くなりになる直前のお言葉です。大切なお袈裟をかけて、正座をしていたのに、行儀作法を離れ、突然横になられたので、周りの弟子たちが、驚いて、どうされたのかと問われた時、お答えになりました。「もし、正座をして、往生したならば、病床に伏している者はどうでしょうか、私の真似をしなければ、往生が叶わないと思うでしょう。」
 人類が、今日まで生き残ることができたのは、過去に学び、工夫し、協力して築き上げてきたからに他なりません。かつて日本は、仏教国でした。歴代の天皇も深く仏教に帰依されました。美しい文化や風土を守り、皆が一団となって、国を守り、国の為に尽くしてきました。明治以降、富国強兵の元、西洋に追いつけ追い越せで、現代は、確かに便利で物が溢れる豊かな国になったように思います。けれども、いつの間にか個人の利益ばかり追求され、益々貧富の差が激しくなるばかりで、自分さえ良ければ、他人がどうなろうとも構わないと考える貧しい心を持つ人が増える一方です。特殊詐欺電話や、振り込め詐欺、あおり運転は、自転車まで、悲しい事件は後を絶ちません。コロナを通じてもう一度原点に返り、この世は全て互いに寄り添い助け合って成り立っていることに気付き、先師の尊い歩みを見本として、人の幸せ、笑顔、喜びを自分の幸福に繋げて、未来が、平和で、思いやりの溢れた美しい地球を目指してゆきましょう。
 下記の通り、先立たれた方々に感謝の祈りを捧げるためのお施餓鬼の法要を勤めます。毎年大変ご好評を頂く円福市は、新型コロナウィルスの為中止致します。海の日が木曜なので今回は、日曜日に行います。是非ご家族お揃いで、また、ご近所、お友達もお誘いあわせてお参り下さい。

合掌

七月十九日(日)


午前十一時半

昼食接待

午後十二時半

住職、阿弥陀院住職説教

午後一時半

盆施餓鬼法要